あたためてあげる。

【配布元:Abandon

 

 

 

本当は知っているんだ。


どんなに求めても、

どんなに求められても、

草灯…
お前が求めているものは俺じゃないから。




本当は捨てられたんだと、悲しんでるんでしょ?

本当は生きていたと嬉しいんでしょ?


なら俺に構わず逢いに行けばいいんだ

「命令されているから」

そんなの関係ない!



たとえ草灯が清明の"戦闘機"でも

"戦闘機"は"サクリファイス"の命令に従うものだとしても

感情は確かにあるんだ。



だって、
そうじゃなきゃ
あんな辛そうな顔なんかしない。



ああ…
俺があと5年くらいたったら草灯のこと好きだって
素直に言えたかな?


本当は、大好きな清明にも渡せないくらい
草灯のことが好きなのに。


いつも声に出てくるのは罵倒する言葉ばかりで…


「命令して?立夏…」


いやだ。
命令なんてやだ!


俺は、お前自身で行動してほしい。
命令されて"好き"だなんて言わないで。


本当の気持ちで言ってほしい…


「立夏…いつか俺を抱いて?」


それは、誰かの代わり?
それとも、ホントの気持ち?


そっと、草灯に抱きついた。
あったかくて、安心するんだ。
だからずっとこのまましがみ付いていたかった。




二人の鼓動が、重なっているような気がした。
それはまるで"同じ名前"を持っているもの同士みたいに。

 

08/07/20(日)夜UP-----------------------