「菊!菊!!」
名前を呼ばれて、立ち止まり振り返ると、フェリシアーノが両手を一杯広げて走って来た。
「なんですか?フェリシアーノさん。」
そう言って、相手の目を 伺うと、フェリシアーノは菊の両手を握り、顔を極限まで近付ける。
「オレね!オレね!ずっと、ずーっと!菊と一緒にいたいんだぁ!!」
期待に待ち焦がれるように、握られた掌にまた力が入るのがわかる。
(うそばかり。本当は、゙ずっどなんて有りはしないのに…)
「そうですか。私もです。」
「ホント?!イヤッフー!!菊大好きーー!!」
ニコリと笑って見せると、貴方は凄く喜んで私に抱き着く。
「ええ……。私もフェリシアーノさんが好きですよ。」
(壊してしまいたいくらいに)
貴方が誰かのモノになるぐらいなら…
(いっそ、殺してしまおうか)
「菊?どうしたの?」
「いえ?何もありません。それよりルートさんは…?」
「あとから来るって!!」
(来なきゃいいのに)
それでも、貴方の笑顔が見たいから。
「早く来るといいですね」
心にはないことを言ってしまうのだ。