【配布元:Abandon】
授業が終わって放課後。
今日も一人で帰路に着く。
辺りはもう人通りのない道。
「なんでだろう…」
今まで自分の隣は、こんなにも寒かっただろうか
ふと 思う。
今まではもっと、暖かくて、優しくて、心地よくて…
ずっと その時が終わらなければいいのにとさえ思ったのに。
今は 誰も居ない自分の隣。
ぽっかりと空いた穴のように…淋しい
お前が居ないだけでこんなにも違うのか。
俺の中でお前の存在がずいぶんと大きいのだと気付いた。
そうしたら 無性にお前に逢いたくなった。
「……今更…だな…」
もうお前に触れることすら許されないのに。
逢ってなどくれるはずがない。
夕暮れの紅に染まった道に影がひとつ写り出す。
--------08/07/04夜作成*08/07/20夜UP--------