君がいなきゃ始まらないものがある。


君の声が聞きたい。

君を感じたい。

君に触れたい。

 

もうどれだけ切望しただろう。
そしてどれだけ現実に絶望しただろう。

君がいない。

そんな明日があるなんて、夢にも思わなかった・・・

 

 

 

 

 

 

いつも、あの時の君を夢に見る。
自分に寄りかかってくる君。


そう、自分が殺したのだ。
彼の仮面を着け、彼の剣で、その身体を貫いた。


今も手に残る貫いたときの感触。

思い出しただけでも泣けてくる。


僕は冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターを出し、一気に煽った。
食道に冷たい感覚が気持ちい。

 

 


でも、僕は未だに納得していないことがある。

それは、彼が死んだあと、民衆の騒動の間に死体が何者かに持ち去られたことだ。
何となくだが、犯人は分かっている。
恐らくはC.C.の仕業だろう。


「どうする気なんだ?」


だから当然のごとく彼の墓には遺体が埋葬されていない。


それは僕の墓と一緒だけれど…
僕は生きている。
彼によって生かされた。
でも彼は、死んだんだ。

 

 

 

窓から吹いた風が心地よくて、まるで彼が戻ってきてくれたような気がした。

 

 


*    *

 

 

 

「おい。いつまでそうしている気だ?さっさと起きたらどうだ」

ここは森の奥にあるほったて小屋。
その中の中央に置いてあるソファーの上に腰掛、自分の膝の上に彼の頭を乗せ、彼の髪を愛しげに梳くC.C.。
その彼ことルルーシュは当然起きるはずもなく、返答には一切答える気配はない。

彼の衣服や傷はここに連れて来た時に処理済だ。
服は黒のインナーに黒いズボン。
あの血だらけの正装はすでに処分したようだ。
腹部の傷も今では跡形もない。
あとは彼が目覚めるだけとばかりに声をかけ続ける。

「まったく。そんなだから友達が少ないんだ。はぁ・・・早くピザが食べたい・・・」

すでにこの行為自体1ヶ月以上続いている。
それでも今日も声をかけるが、やはり返ってこず、もはや飽きてきて別のことを考えていた。
ああ早く目覚めて私のためにピザを焼いてくれ!と。

 

 

 

 

さっきからなんだか耳元で聞きなれた声が聞こえた気がした。
うるさいくらいに響く嫌な声。
でも、嫌いではない声・・・。

(なんだ、さっきから俺に話しているのか?
俺は死んでいるんだから返事は出来ないと言うのに・・・。)


「あ~あ。今頃スザクはお前の所為で大変だろうな~?」

 

(ああ。
確かにな。
あいつには考えるということが欠落しているからな。
考えるより即行動。
そんなあいつに指揮官なんて務まるのか?
いや無理だな。
一生懸命考えた末に「自分がやったほうがマシだ!」と自分で乗り込みそうだ。
ああ、でもそうするとゼロのイメージが…)


ふいにルルーシュの身体がピクッと身動きし眉間に皺を寄せる。


「・・・ちがう・・・」


口だけをそう動かして第一声を発する。
それに敏感に感知し彼を見やる。
彼の頬に右手を添えて前髪を払ってやる。

「お?やっと起きたのか?遅いぞ。私は暇ではないんだ。さっさとピザを食わせろ」


(なんで俺がお前に食わせなきゃならないんだ!
ナナリーやスザクならともかくだ。)


眉間の皺がどんどん増えて、瞼も心なしかふるふると震えている。


「文句があるなら私を見て言って欲しいものだな」

口には微笑を浮かべ彼を見つめる。
言葉とは裏腹に目は真剣だ。

この日を誰よりも心待ちにしていたのだから。

震えていた瞼が静かに動く。
紫色の宝石が徐々に見えてきて、彼女は表情はそのままに瞳から雫をこぼす。

その雫が彼の頬にあたる。
それに気付いたルルーシュがC.C.に微笑む。

「なんだ。俺のことを散々好き勝手に言っていた割に、泣いているのか?」

ルルーシュがC.C.に手を伸ばす。
その手が彼女の涙をすくう。

くすくすと笑うルルーシュ。
涙を拭って彼に顔を寄せた。

 

「遅いぞ。女を待たせるな」

 

彼女の背中に手をやるとかすかに震えている。
そうだ、強がってはいるが彼女は寂しがり屋だった。
今までどんな気持ちで待っていてくれたんだろう・・・

 

「ただいま・・・」

 

暖炉の火と同じように彼女の温もりも暖かく心地が良かった。

 

 

*    *

 

 

「ところで、なんで俺は生きているんだ?俺は確かにスザクに殺されたはずじゃぁ……」

少し気分も落ち着いた二人は、ソファーに腰掛けホットコーヒーに口付けながら会話していた。
そこでルルーシュがずっと疑問に思っていたことこを口にした。

「ああ、そういえばまだ話していなかったな。
まぁあれだ。親バカの忘れ形見だ。」

表情には出ていないがとても楽しそうに、コーヒーの砂糖が溶けるのを眺めながら言う。

「…………は?」

 

(なんのことだ?いや、その前に…親バカって……?)


「シャルルのことだ。
まったくアイツも粋なことをしてくれる」

そう言いながらルルーシュに手鏡を手渡す。
そこに写った自分の姿はやはり自分だった。

「首元を見てみろ。
ちょうど鎖骨の窪みで隠れてはいるが、そこに私の額にあるものと同じ印がある。まるでお揃いみたいだな」

「…………っ!」

そう言ってフフと笑うと、背後から鏡を覗き両腕を彼の首に絡めた。


「お前とお揃いとはなんだか変な感じだな……」

今まで絶句していたルルーシュが自嘲気味に答える。
魔女と"お揃い"それはつまり"不老不死"の身体になってしまったということだ。
これから、いくら自分が死にたくとも死ねない……

 

 

 

「というか、お前が生き返ること自体が変なことだがな」
「揚げ足をとるなっ!」
「ふふ…。これから楽しくなるなぁ。童貞ぼうやw」
「誰がだっ!!」

 

 

*    *

 

 

「そういえば…スザクは今どうしているんだろうか…」

朝食を作るために台所に立ち、フライパンに目玉焼きを作りながらふと言葉をこぼす。

「あっ私は半熟だぞ。」
「分かっているっ」

音か、それともにおいで分かったのだろうかC.C.がすかさず注文付けるがそれにイライラとするルルーシュ。
まぁいつものことだが。


「……覗きに行ってはどうだ?
見たほうが早いだろう。
ついでにナナリーも見れるかもしれないぞ?」

にやにやしながらルルーシュを眺める。
それを知らない振りをしつつも、背中に嫌と言うほど視線を感じ振り返る。
そこには、暖炉の前で膝を抱えて座り自分のほうを見る彼女の顔。
とても愉快そうに微笑む瞳にぶつかる。

しばらくそうしていると

「ルルーシュ。何か臭わないか?」
「は?………っ!!??」

フライパンを火に掛けたままなのを忘れていたため、ふちが少し焦げてしまった。
さっき注文された半熟なんて跡形もない。言うなれば完熟だ。

「はぁ~・・・」

(あいつは今頃どうしているんだろうか。
ちゃんとご飯は食べているだろうか?
独りで寂しくないだろうか?いやナナリーが一緒か。うらやましい!!
そもそも、ナナリーの隣は昔から俺だけのものだったのに!
いつからあんなに親しくなったんだ!
よし!わかった。よーくわかった!
見に行ってやる!
ちゃんとゼロをしているのかも気になるからな!!
覚悟していろよ!スザク!!)

「ふふ…はははっ」
「気持ち悪いぞ。お前」
「うるさい!」


決心が緩まないうちにと、朝食を食べた後にC.C.と一緒にナナリーに逢いに…いやスザクに逢いに行ったルルーシュ。
物陰からこっそりと覗く姿はまさにストーカー一歩前だったとか…

 


「お前、遠まわしにスザクが好きだよな。」
「違う!ナナリーが好きなんだ!だから来たんだ!///」

 


 

 

 

「っ……ふ……っ……」

 

 

 

誰かの声が微かだが聞こえた気がした。

 

誰のものか分からないまま、その声がするほうへと足を向ける。

 

 

いた。

 

声の主は、政庁内にある庭の片隅で、声を殺して泣いていた。

 

それはルルーシュが大好きだったミルクブラウンの髪をもった車椅子の少女だった。


目を懲らしてもう一度見てみる。
側にもう一人いるらしい。
車椅子の少女はそいつに縋り付いていた。

 

「お兄ぃさまぁっ……」
「………」


どうやら泣いている原因は自分にあるらしい。
それはそうだろう。

ルルーシュはその車椅子の少女こと彼の最愛の妹ナナリーに、今更ながら申し訳なく思った。

 

 


「ナナリー…」


ミルクブラウンのふわふわな髪を優しい手つきで撫でながら、この少女に何と言葉をかけたら良いのか思案する。

今の彼女になんと声をかけても状況は変わらないことを僕は知っていた。
実際この庭でのやり取りも、何度目かのことだった。


「何処に…行って…っしまわれたのですかっ?!お兄さまぁ…!!」


凄くか細いその悲痛な叫びに、いつも胸が締め付けられるように苦しい。
彼女にとって心のよりどころであったルルーシュ。
その彼の遺体がまだ見付かっていないのだ。
それでは墓さえ作ってあげられないし、ましてや彼に会いに行くことすらできないでいた。

 

 


*    *

 

 


「ナナリー………」

彼女とその騎士のやり取りを見守り、己の今までの行動を悔いる。

彼女はあんなにも自分の帰りを待っていたのに。
自分のために泣かせたくなかったのに。


『スザクがいるから大丈夫。』


そう思っていた。

 

「ルルーシュ、顔を見せてやってもいいんじゃないか?」

C.C.が俺の肩に手を乗せ後ろから覗き込むように聞いてくる。

「しかし……」

俺はすでに死んだ人間。
今では人間と呼べるのかすらわからない存在だ。

いざとなるとどういう顔をして会えばいいのかわからず。

俺はまた彼女と騎士を見つめた。

 

 

 
[newpage]
物陰から、ずっとスザクとナナリーを見つめたままだったルルーシュ。


「誰だっ!そこにいるのは!」

「∑…っふわぁぁぁぁ!!!」

がさささ…


視線に気付いたスザクが突然こちらに振り向き声を発した。
それにに驚いた俺はバランス崩し後ろに倒れた。


まっまずい!!
思いっきり素っ頓狂な声が出てしまったではないか!!
どうする?!
そう思いC.C.のほうを向けば、、、お手上げのポーズ。
でも心なしか楽しそうにしているのは気のせいではない。

 


「まさか!今の素っ頓狂な声はっ!!」
「お兄様?!」「ルルーシュ?!」

スザクとナナリーは二人顔を見合わせ、頷き、覚悟を決めて覗きに向かった。


ルルーシュが生きている?!
そんな…
まさか。
でも…
遺体の喪失といい、今の声といい…


一歩一歩近づいて行く。
とうとう二人を隔てるものはツツジの木一つだけとなった。

「お兄様…なのですか…?」


「・・・・・・・・・」

どういう顔をして会えばいい?!
俺は今まで嘘を付き過ぎた…
今更何をいえばいい…!


隣でルルーシュを見ていたC.C.が『やれやれ』と小声でいい、立ち上がった。

「やあこんにちは諸君」

「っC.C.…」

幾分か険し気な声でいうスザクに対し頭に"?"を浮かべるナナリー。

「その声は…しーつーさんなんですか??お顔を拝見するのは初めてですね」

「そうだな。ナナリーは凄いよ。(マリアンヌのギアスを解くなんて)」

「?…あのっそこに、お兄様がいませんでしたか??」

目線を庭の周りに植えられた木に向け、物音のした方向を見る。

「いるんだがな」


「「「??!!」」」


(何故バラすんだ!!)

「じゃぁなんで…」

思わずツッコミを入れてしまったルルーシュ。
不審な顔でC.C.の顔をのぞき見るスザク。

 

「お兄様は私たちに会いたくはないんですか?!」


いつもは静かに話す彼女らしからぬ甲高い声は周りに響き、ルルーシュの頭と心にも響いた…
今ここで出て行ってしまえば全てが駄目になりそうなのに…。

そう思っていても、身体は正直に、彼女と騎士の前に姿を現していた……。

 

ゆっくりとその場から立ち上がると、真っ先にナナリーと目があった。

嗚呼…やはり自分は彼女に弱いのだ。

「弱過ぎだがな」

「心を読むな!!」


横からちゃちゃを入れられ黄緑の女を睨む。

と、いつの間にか近くに来ていたナナリーがルルーシュの腕を掴んだ。

 

「捕まえました。もう、逃がしません。離しません。離れたくありません…っ…」

下に俯き表情は見えないが、泣いているのだろう。
声も身体も震えている。


「なーかしたー。なーかしたー。(棒読み)」

「貴様はそういうことしか言えないのか?!」

「仕方ないだろ?あまりにもお前達の反応が面白くて」

「勝手に面白がるな。………ナナリー……今まですまなかった…。一人にさせてしまったな……」


「……おにいさまぁ…………」


彼女の背中に腕を回し抱き寄せると、彼女は安心したのか自分も両腕を回して抱き返す。

そんな二人を見ていたスザクが静かに口を開いた。全くこれだからKYは。

「ルルーシュ……そろそろ事情を話してくれないかな…」


外ではなんだからと、政庁のプライベートルームに案内された。
と言っても場所はさほど離れてはおらず、白い机に4人掛けの椅子があるガラス張りのおかげで緑が優しい空間なテラスだ。


「どうぞ」

そう言ってスザクが紅茶とクッキーやらなにやらを持って来た。

「すまないな。もらってやるか。あっピザはないのか?」

「おいこらっ!…気にするな…いつものことだから。頂くよ」

「チッ」
「何か言ったか」
「いいや」
「「……………」」

 

「……仲がいいんだね」


「「よくない!!」」

 

 


テラスのカーテンがそよそよとなびいているのを静かな気持ちで見つめていた。

嬉しい筈なのに。

今までの彼女への嘘のせいで罪悪感から未だ覚めないでいた。


今思えば、彼女への嘘は2年前からである。
知られたものもあったが、それはほんのわずかに過ぎないのだ。


「まず、どこから話そうか…」


俺が思い悩んでいると。
スザクが俺の手に触れてきた。
心細そうにでも見えたのだろうか。

「ナナリーには初めから言ったほうがいいのではないか?」

「……そうだな…ナナリー…」
「はい。お兄様。覚悟は出来ています。全て…ありのままを話してください」
「ああ…」


そして俺は何もかもを話し出した。
ことの発端は、魔女C.C.との出会い。
そしてギアスを契約し、その力は一人につき一度きりしか使えないこと。
スザクにナナリーの騎士になってもらいたかったこと。
それを、ユフィの騎士なる前日に言おうとしていたこと。
冗談で言ったことがギアスの暴走でユフィに辛い命令をしてしまったこと。
当時はギアスキャンセラーがなかったし、これ以上ユフィに血に染まって欲しくなくて、この手で殺してしまったこと。
その犠牲を無にしたくなくて今まで何が何でも嘘を全うしてきたこと。
スザクに銃を向けられて裏切られたと思ってしまったこと。
それが、ブリタニアに売られたときにも思ったこと。
ロロのこと。
ロロが最初は憎くて。
散々使ったら捨てるだけの存在としてしか思っていなかったこと。
それが、亡くなって初めて大切な存在だったと、もっと愛してやるべきだったと気付いたこと。
父、皇帝と母マリアンヌがV.V.とC.C.一緒に企てていたこと。
それによって、自分とナナリーは結果的に利用されていたこと。
目が見えるのもそのせいだということ。
マリアンヌのギアスのこと。
皇帝のギアスのこと。
皇帝になってからの自分とスザクのこと。
セシルさんとロイドと咲世子にだけは真実を伝えて協力してもらっていたこと。
そして、このまま自分は死ぬつもりでいたこと。
生きているのが自分のほうが一番驚いていること。

 

全部話すのに半日は過ぎてしまった気がするが、そこは気にしないことにした。

 

「いつも坊やの慰め役はこの私だ」

なにをえらそうに。

「ルルーシュ泣き虫そうだもんね」

くそぅ!このKYめ!

「実際よく泣いていたさ。たとえばそうだな…ああ、お前に足蹴にされたあの後なんか一番ショックだったみたいだぞ?」
「え、ナナリーがフレイヤに巻き込まれたときなんじゃ…」
「いや、あの時は寧ろ涙より魂が抜け出ている感じだったよ。それまでナナリーのためにやっていたことだったからな」
「ふーん」

「て、おい!」

「「ん??」」

会話に置いていかれそうになったルルーシュが呼び止めると、スザクとC.C.が同時に振り返る。
今にもどうかしたかと言いたげだ。

「で、おれも驚いているこの体だが…」

そういいながら自分でワイシャツのボタンを外して鎖骨を露にする。

「どうやら父上のコードで不老不死になってしまったようなんだ…」

ほらここにC.C.と同じマークが…
とスザクとナナリーに見せ。

そして、彼らは二人顔を見合して同時に声を発した。

 

「はぁ?!」
「え?!」

 

 

 

 

 

(いや、ホントに予想外だったよ…)
(うそ臭いぞ?)(でなければ俺はここにいない!)(それもそうか☆)

 

「ところでルルーシュ。これからどう暮らして行くんだい?」

「ああ、、、そのことなんだが…。」


ちらり。
横目でナナリーを見て頬が緩むのを抑えられない。
やっと出逢え、まともに会話が出来るのだ。
これ以上ないほど嬉しいことである。

 

それから、今後のことを話し合った結果、ナナリー曰くスザクは(予想通り)商談や演説に弱いためルルーシュがサポートすることとなった。
場合によっては成り代わるかもしれないが…。


そういうこともあってか、ルルーシュはスザクの部屋の隣に住むことになった。
C.C.はもちろんルルーシュと同室である。

初めはスザクが「僕と一緒に暮らそうよ!」
と言ってきたのだが、それは俺やナナリーで断固阻止した。

「お前と一緒になど考えたくもない。お前と暮らして俺の利になることがあるか?答えは否だ。どうせ家事や雑用は俺がする羽目になるんだからな!」

「え~。そんなことないよ~」

「ある」

「それなら、C.Cも一緒なんじゃないの?」

「…やつは…ある意味お前よりはキケンじゃないからだ」

「僕襲ったりしないよ?ちゃんとつけるしさ?」

「////ちがうっっっ!!!おっっお前は、何の話をしている!!」

「えっ?違うの?ごめんルルーシュw」

「~~~~////とにかく!俺はお前とは住まない!!」

「…はは…フラれちゃったかな…」

「スザクさん!頑張って下さい!恋に障害は付き物ですよw」

「おいっ!ナナリー…!」「うん!そうだねっ!頑張るよ僕!」

 


「まぁ私はピザが食べれればどこでもいいがな♪」 
[newpage]
「ということで……コホン。(小声)ナナリー!」

軽く咳ばらいをしてキラキラしたルルーシュがナナリーのほうへ振り向く。

「はい!お兄様なんですか?」

それを、元気よく返すナナリー。
やはり兄妹は似るのだろうか。
シスコン、ブラコン健在である。

「今日はナナリーの手伝いがしたいんだ。何か困ったことは無いかい?」
「困ったこと……ですか?そうですね……。あっ!」

「何か思い付いたかい?」
「ええ……。スザクさんに頼んでいた資料整理が…頼んでから1週間も経つのにまだ終わっていなくて……」

さっきまでの爽やかさが一変して険しいものに変わる。
それを後ろで聴いていたスザクは肩をびくつかせていた。

「何っ?!」

じと…とスザクを見やると、彼は冷や汗をかいて目を明後日に向ける仕種をした。

「あっ…あはは…はは…;;」

 

*   *

 

 

(ルルーシュはすごいなぁ~…)

と、ルルーシュが整理している姿を只眺めているスザク。
本当は、自分も手伝いたい所だが、ルルーシュに『お前がすると余計ややこしくなる!』と言われてしまえば手が出せなくなったのだ。

 

 

(もうすぐ秋だな…)

そう思い窓のほうへ目を向ける。
政庁の3階から覗く風景は、夏の緑より、紅く染まりつつあったのだ。
その風景に、心が穏やかになるのが分かる。

 

 

 


「さてとっ!やっぱり何か手伝うよ!ルルーシュw」

 


(君に頼まれたって、傍を離れる訳無いんだから!もう、絶対に!)

 

 

 


*おわり*

 

 

 

 

 

 

 
**********************
ここまで読んでいただいてありがとうございますw
すごくオリジナル設定ですが、携帯サイトで長編と称して書いていたものです。
クオリティーは低いかもしれませんが、その代わりにいっぱいの愛を詰め込みましたw

これからも、オール・ハイル・ルルーシュ!!で行きますww

乱文失礼しました。
 

 

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